【クリスタEX】入稿前に背幅を変えたくなったとき見るやつ【ひと月だけ契約しよう】
こんにちは。同人誌大好きマンです。
あったら便利かなと思ったので書きました。
はじめに
なにこれ
クリスタEXを使った表紙の背幅変更(とそれに伴う表紙図柄・裏表紙図柄の位置修正)手順のまとめです。
原稿作業に役立てていただければ幸いです。
普段クリスタを使わない人向けに書いていますがここ全然わかんね~~とかあったら教えて下さい。10年くらいクリスタと付き合ってるともう考えるより体が勝手に動かしている機能が多いため……
この記事の主なターゲット
表紙・裏表紙を依頼してデータ納品してもらったものの、当初の予定より背幅が増えた/減ったから調節しなきゃ! でも締切まであと数時間だからこのタイミングで頼むのもな~~ウワ~~~~!で悩むコストを減らしたい人。
注意
今回は例として、今回は以下の使用で作成しています。
- 同人誌サイズ:A5
- 塗り足し:3mm
- 出力サイズ:トンボ裁ち落としまで
が、最終的な原稿データの仕様は印刷所の指定に従ってください。
例:しまや出版さん クリップスタジオでの入稿方法
https://www.shimaya.net/howto/clipstudio.html
注意2
完全完璧最適解絶対にどんな場合でも対応できる!な手順ではありません。ご了承ください。
また手元のPC版のクリスタを元に解説を書いているため、デフォルトやアプリ版とツールの位置などが異なる可能性があります。
機能に変わりはないため、記載されているツールが見つからない場合は「クリスタ アプリ ◯◯ツール」などで調べながら進めてください。
いるもの
CLIP STUDIO PAIINT EX
超便利ペイントソフト。EXを月額で契約します。
- 背幅のために一括で購入するには金額が大きいので月額とします。
- 背幅変更はProでも可能ですがそもそもProでできる人はこの手順自体不要なのでEXとします。無料ソフトじゃないのも同様です。
表紙・裏表紙(・背表紙)が別れているデータ
クリスタで背幅を変更すると表紙・裏表紙の図柄の位置がズレるのでこれを調節する必要があります。
ということでそれぞれの部分のデータがいります。
- A:表紙・裏表紙・背表紙それぞれの図柄があるタイプ
- 背表紙は単色塗り+タイトルくらいのものも含める
- B:表紙の図柄が背表紙にまたがるタイプ
- C:裏表紙の図柄が背表紙にまたがるタイプ
それぞれに共通してるのは以下です。
- 塗り足し+1mm以上の範囲で出力されたデータが理想的。
- 塗り足しぴったりだと隙間ができるため
- データの中心が表紙・裏表紙の中心になっていればOK
- 背表紙が極端に大きくなりすぎる場合は別途対応がいる。
- 大きくなりすぎた背表紙分の図柄をどうにかする必要がある。
- 別途塗りつぶし等で背表紙部分を作る必要がある
背幅を手元で変更する許可
いただいたデータを改変することになるので事前に許可をとっておきましょう。
依頼時に「締め切り直前に背幅の変更が出た場合、こちらで修正する可能性がありますが良いでしょうか」「背幅の修正がしやすいようにデータを作成していただくことは可能でしょうか」等の相談をすると表紙を作る側としても対応してもらいやすいかと思います。
その他あるといいもの
- キーボード
- 定規
- 次の項目とかで使う。なくてもいい。ちょっとだけ精度があると嬉しいので可能なら100均じゃないやつだと嬉しいかも。
やること(事前準備編)
一度やればアンインストールするまでやらなくていいこと。
クリスタEXのインストール
手順の詳細は割愛します。
クリスタEXの設定
背幅作業用の最低限の設定です。その他自分で気になるところがあったらカスタマイズすると便利です。
- クリスタを起動する。
- 「ファイル」>「環境設定」で環境設定を開く
- 「定規・単位」タブの「単位」>「長さの単位」を「mm」にする
- 「キャンバス」タブの「ディスプレイ解像度設定」>「設定」ボタンを押し、解像度を調節する。これをやると「表紙」>「印刷サイズ」で現実の大きさとほぼ同じ倍率でキャンバスを表示でき、縮尺が把握しやすい。
以上で事前準備は終わりです。
やること(実作業編)
クリスタで実際に背幅を変更します。
表紙の.clipデータがすでにある場合などは適宜読み飛ばしたり読み替えてください。
ファイルはこまめに保存しましょう。(何の作業でも言えますがキーボードの場合はCtrl+sを押す癖をつけると概ね助かりがちです)
手順概要
- 表紙用の見開きファイル作成
- 表紙、裏表紙、背表紙のデータを見開きのファイルにまとめる
- 見開き内のガイドに従い、表紙・裏表紙をそれぞれの中心に合わせて配置
- 背表紙を配置(理論上中央で良い)
- 表紙・裏表紙・背表紙の表示範囲を調整(中央側のトンボに注意)
- 微調整
- 書き出し(統合、PSD、カラープロファイルに注意)
- ※途中で背幅が変更になった場合、背幅設定変更→表紙~背表紙再配置→以降同様の手順
表紙用の見開きファイル作成
- 「ファイル」>「新規」で新規ファイルダイアログを表示。Ctrl+nでも可。
- コミック用のタブを選択。以下を設定して「OK」
以下を設定。
- 製本サイズ
- 断ち落とし幅
- 複数ページ(4ページ)
- 表紙へのチェック(解像度350、カラー)
- 見開き、背幅数値指定(単位はmm)
- 表紙・裏表紙の見開きファイル(以下見開きファイル)を開く
表紙・背表紙・裏表紙と塗り足しの範囲を可視化したもの。
クリックで拡大
表紙、裏表紙、背表紙のデータを見開きのファイルにまとめる
-
- 「新規」>「開く」(Ctrl+oでも可)で表紙のデータを開き、レイヤーのロック(錠のアイコン)をオフにする。
- 「背景」レイヤーを選択した状態(背景が青くなっている状態)で「編集」>コピー(Ctrl+cでも可)
- 先ほど作成した見開きファイルのタブを開き、「編集」>「貼り付け」(Ctrl+vでも可)
表紙部分が貼り付けられる - 同様に裏表紙、背表紙のデータも見開きファイルに貼り付ける。
初期位置なので全部左上に寄っている。
レイヤー名を変えてもいい - レイヤー順を上から「表紙」「裏表紙」「背表紙」にする。
表紙と裏表紙は逆でも良い。
- 「新規」>「開く」(Ctrl+oでも可)で表紙のデータを開き、レイヤーのロック(錠のアイコン)をオフにする。
見開き内のガイドに従い、表紙・裏表紙(・背表紙)をそれぞれの中心に合わせて配置
拡大・縮小・回転ツールで移動させよう!
Ctrl+t、または「編集」>「変形」>「拡大・縮小・回転ツール」を使うと現在のレイヤーを変形させたり移動させやすくなる。
この状態になったら線の内側、□以外の部分をドラッグすることでレイヤーが移動できる。
カドじゃない□は全て辺の中央にあるので、この□の位置が各領域の中央に来れば良い。
が、この調整が目測すぎて面倒なので補助線を引きます。
補助線(ガイド)を引こう!
定規の中にある「ガイド」ツールを使います。
これにより、出力はされないけど補助線として使える直線を引けます。


また、ガイド線はレイヤーの一番下から2番目に「ガイド」レイヤーが作られそこに定規としてデータがあるため、レイヤーを右クリック>「定規の表示」で表示/非表示が切り替えられます。
表紙・裏表紙・背表紙の表示範囲を調整
現在の状態では表紙の図柄が裏表紙の領域まではみ出していたりとめちゃくちゃなので各レイヤーの表示範囲を調整します。
まずは範囲調整用のレイヤーを作ります。
新規レイヤーを作成しよう!
- レイヤーパレット内の一番上のレイヤーを選択。
- この状態でパレット内、□に+がついたアイコンをクリック。または「レイヤー」>「新規ラスターレイヤー」。これにより新しいレイヤーができます。
範囲指定して塗りつぶそう!
- 範囲指定内の「長方形選択」ツールを選択。
- 先程のガイドを目安に表紙の領域を選択します。
ガイド線のお陰で簡単に範囲がとれます。
こうすると→こうなる - 範囲内を何色でもいいので塗りつぶします。
「編集」>「塗りつぶし」、バケツツールを使っても良いです。 - 選択範囲を解除します。
「選択範囲」>「選択範囲を解除」
こんな感じになる。塗りつぶしが先程作った新規レイヤーにされているか注意。 - 1~4の手順を繰り返し、裏表紙(右側)の塗りつぶしレイヤーも作成します。
こうなる - (省略可)レイヤーの色を白にします。
レイヤーの透明度をロックして白で塗りつぶす。
やらなくてもいいのですが、背景色白で作業しているので統一します。5の手順を白でやってもいいです。(塗りつぶし範囲をわかりやすくするために色を付けています)
同様に裏表紙側のレイヤーも白くします。
- レイヤーの順序を変更します。
上から順に
- 表紙レイヤー
- 表紙用塗りつぶしレイヤー
- 裏表紙レイヤー
- 裏表紙用塗りつぶしレイヤー
- 表紙・裏表紙レイヤーを塗りつぶしレイヤーにクリッピングします。
クリッピングするとこうなる
これで大枠は完成しました。
※表紙または裏表紙の図柄が背表紙にかかる場合
例:表紙がかかる場合
表紙用塗りつぶしレイヤーの範囲を背表紙分込みで作成します。


書き出し(統合、PSD、カラープロファイルに注意)
入稿用のデータを書き出します。
- 「ファイル」→「画像を統合して書き出し」→「. psd(Photoshopドキュメント)」
- 画像を保存ダイアログが表示されるので「保存」
- 書き出し設定ダイアログが表示されるので、利用する印刷所の指定に合わせて設定してから「OK」
参考例:しまや出版さん https://www.shimaya.net/howto/clipstudio.html
カラー原稿の書き出し を参照
- .psdファイルが出力されます。
クリスタで開いて中身を確認して問題がなければ完成です。開く際に「カラーのデータをRGBカラーに変換して読み込みます。(以下略)」のダイアログが表示されますが「OK」を押してください。
中身を確認したデータは変更したり保存したりせずそのまま閉じてください。
塗り足し3mm込みのデータ
※途中で背幅が変更になった場合
新しい背幅でのデータを作ったあと、更に背幅が変わった場合の手順です。
表紙データがクリスタのコミック機能で作られている.clipファイルが手元にある場合も適用出来ます。
- 背幅設定変更
- 「見開き内のガイドに従い、表紙・裏表紙(・背表紙)をそれぞれの中心に合わせて配置」の手順を参考に、表紙・裏表紙・背表紙を再配置
ガイド線がずれているので引き直します。 - 書き出して完成
背幅設定を変更しよう!
- 「ページ管理」>「ページ基本設定を変更」からダイアログを表示。
- 「間隔」の欄の数字を新しい背幅にする。今回は例として元々7.0mmだったものを1.3mmにする。
- 「OK」を押して変更完了
ガイド線を引き直そう!
背幅を変更すると、以前引いていたガイド線の縦線の位置がズレます。
ガイド線を一度消して、新しく引き直します。(移動することもできますが操作の難度が上がるので本手順では引き直します)


- ガイドレイヤーを選択し、定規アイコンを右クリック。
「定規を削除」でガイド線を全て削除します。ガイド線を削除 - 改めてガイド線を引き直す。
背幅が塗り足しより大きいか小さいかでどの線に従うか変わるので注意しましょう。
背幅1.3mmは塗り足し3mmより小さいので内側の線をとる
以上でデータ作成は終了です。
おわりに
おそらくこれでできるはずなのですがここわからん!とか間違ってない?とかあったら教えて下さい。
インターネット知り合いの方は直接質問していただければ可能な限り対応します。
それでは良き原稿ライフを!
もっといい手順あるぜ!って人
それまとめて公開してくれ!!!!!!その方がみんな助かるから!!!!!!!!マジで!!!!!!!!